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あるある体にいいもの:新米マラソンマン ソランのブログ

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黒豆

黒豆の効能

お正月が終わったばかりでまた黒豆!の声が聞こえてきそうですが、黒豆が年始だけの美味、というのはもはや過去の話。その絶大な栄養価から、今や年間を通しての食品に。黒豆ココアのヒットをはじめ、巷には黒豆商品がたくさん。ここで、パワーの源をじっくり探りましょう。



黒豆とは


 一般に黒豆の名で親しまれるこの豆は、ご存知、大豆の仲間、正式には黒大豆といいます。原産は中国で、古くからその効能は知られるところでした。なにしろ古代中国の医薬書「神農本草経」には、黒大豆が病気の治療に用いられていた記述があるほどです。漢方では、黒豆は身体の成長や発育、生殖をつかさどり、腎を補うものと考えられてきました。そしてその薬効が、皮の黒さ起因するということも古来理解されていたようです。
黒さの源になっている物質は、アントシアニンという色素。ブルーベリーに含まれることでも有名なポリフェノールの一種です。 もちろん大豆そのものの栄養価の高さはいわずもがな。大豆パワーとアントシアニンの効果を兼ね備えた黒豆は、最強のヘルシーフードといっても過言ではありません。
余談ですが、黒い食品といえば、ごま、のり、ひじきなど、ぱっと思い浮かべただけでも身体によいものばかり。中国では古来、黒豆、黒ごま、黒松の実、黒かりん、黒米を『黒五類』として特別に珍重したという記述もあります。先人たちは、経験値から黒い食品の効能を見抜いていたのです。はたして近年になってから、それらが実際、科学的にも正しかったことが次々検証されています。


アントシアニンに見る黒豆効果


【活性酸素の除去】
まずは、黒豆の黒豆たる所以の色素、アントシアニンについてです。最近話題のポリフェノールの一種であることは先に述べた通りですが、ポリフェノールとは、平たくえいば植物が光合成をする際に作り出す、色素や苦味の成分。すべての動物は酸素を取り入れることによって生命を維持しており、人体も活性酸素が必要です。が、過剰な活性酸素は細胞を傷つけ、動脈硬化や糖尿病、ガンなどさまざまな疾患の原因にもなります。ポリフェノールはこの活性酸素に対抗する、抗酸化物質なのです。つまり活性酸素を除去することで、血液をさらさらにしたり、体脂肪をつきにくくしたり、その結果、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防にもつながるとされています。
【 視力向上】
視力向上の作用があることは、ブルーベリーでも有名になりました。目の網膜は光をとらえるとロドプシンという物質が分解されてビタミンAになり、もう一度ロドプシンが再合成されるという循環がおこります。アントシアニンはロドプシンの生産能力を高め、視力の向上をはかるのです。
【美肌効果】
皮膚に含まれているコラーゲン同士を結びつけ、その働きを強くします。その結果、肌の張りやつやがよくなるのです。



広範囲にわたる大豆の成分とその効能


 昔から“畑の牛肉”といわれ、栄養価が高いことはよく知られていましたが、昨今ではそれ以上にさまざまな働きが解明され、いっそうその必要性が認識されています。成分をあげれば、主なものだけでも以下の通りです。


イソフラボン レシチン
大豆たんぱく質 ビタミンB1,B2
食物繊維 サポニン

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これだけの大豆パワーとポリフェノール効果を併せもっている黒豆は、まさに現代人にとって救世主となる食べ物といえそうです。


恵まれた丹波の風土が育てた極上の黒豆


 現在日本で栽培されている黒豆の代表的な品種には、兵庫県篠山市で生まれた「丹波黒」と、北海道の「中生光黒」などがあります。質の高さでいえば、「丹波黒」の右に出るものなし。 100 粒で 80 gもあり、粒の大きさは大豆の中でも世界一。色、艶、煮上がりの風味のよさも格別。また、味の面だけでなく、栄養価の高さにおいても、通常の黒豆を上回るというデータもあります。長時間煮ても皮がはじけないという利点もありますが、それも皮がしっかりと弾力にとんでいるためでしょう。その分、アントシアニンも豊富に含まれているのです。 丹波黒の品質の高さの所以は、育った土地柄にあります。丹波といえば、大納言、黒豆などの豆類、栗、松茸、お茶など、良質な農産物で知られます。丹波とは兵庫県の篠山、氷上郡、京都府の3都市の総称ですが、なかでも黒豆の産地は篠山市。その昔に湖だった土地は、今でも鍋底のような盆地で、周囲の山々や森林の栄養分がすべて流れ込み、粘土質。丹波黒は、その肥沃な土壌と、昼夜の激しい寒暖の差がつくりあげた自然の名品なのです。


黒豆の枝豆

 季節的にまだ先の話ですが、黒豆好きにはぜひ知ってもらいたい情報をひとつ。昨今、黒豆の枝豆といって、正月用に出荷する前の枝豆を早摘みして食する、贅沢な枝豆に注目が集まっています。本来枝豆は12 月に収穫、乾燥後、正月用に出荷されるもの。 それを 10 月の中旬から下旬、葉が枯れる寸前に収穫したものが黒豆の枝豆。さやの色は茶色っぽく、丸まると太った豆は、やわらかく甘みがあり、むちっとした歯応え、夏の枝豆や茶豆とはひと味違うおいしさなのだとか。ただ、収穫量に限りがあるため、黒豆専門の丹波の農園でも、予約制になっているところが多いようです。今年の秋の楽しみにしてはいかがですか。


手軽に黒豆の効果を摂取する


これだけ、栄養豊富とわかっていても、豆を煮るのはやはり面倒なもの。ところが最近ではこの黒豆のパワーを手軽に取り入れられるようにとさまざまな加工品が出回っています。なかでもヒットしたのが黒豆ココア。数年前、健康食品として話題になったココアですが、アントシアニン同様、優秀な抗酸化物質であるココアポリフェノールをたっぷり含むほか、リグニンというココア特有の食物繊維も豊富。前述のアントシアニンをはじめとする栄養の宝庫・黒豆と合わされば、それはもう効果倍増。TVコマーシャルでおなじみのハウスの商品以外にも、丹波の黒豆を使ったり、丹波黒と丹波大納言をブレンドしたりと、こだわりの商品もたくさん出回っています。 また、長時間かけて丹念に煎り上げた素焼き煎り黒豆などは、そのままポリポリかじることができて、丸ごと黒豆の栄養が吸収できるのですからとても手軽。甘みをつけていないので、いくら食べても安心です。小腹がすいたら煎り黒豆、という習慣もよいかもしれません。また、黒豆きなこをホットミルクに溶かして飲むのも手軽。黒豆茶はココアのヒット以前からの隠れたヒット商品。黒豆納豆は黒豆商品の中ではすでに古株、すっかり定着していますが、黒豆ごはんの素などという楽しい商品も出ています。お菓子のたぐいは羊羹、おせんべい、パウンドケーキ、チョコレートと挙げればきりがないほどです。  むろん、昔ながらにゆっくりとていねいに煮た、黒豆のおいしさは王道。せっかくの煮豆を賞味し終わったら、煮汁は捨てないで。お湯をさして飲むだけで、即席の健康ドリンクになりまます。 お正月気分もやっと抜けた頃ですが、今年は引き続きせっせと黒豆を食べて、マメマメしく働くのはもちろん、黒豆パワーを恒常的に授かりたいものです。


(小松宏子) 


writer's eyes
 暮ともなると、大きな鍋でことことと黒豆を煮ているのが実家の年の瀬の風景でした。その頃は「古いくぎを一緒に煮ると、つやつやと真っ黒に仕上がる」からと、古くぎを探させられたこともありました。子供心に不思議だなと思っていましたが、今回黒豆に関して調べてみて、そのなぞが解けました。黒豆の黒を作り出しているアントシアニンという色素は、鉄と反応してアントシアン鉄という色素を作り出すのだそう。それで、いっそう、黒光りする黒豆を煮ることができるのです。
今年は見事な丹波黒を購入して、じっくりと煮てみました。確かに長時間煮ても皮がはじけず、ふっくらとおいしく煮上がりました。しかしながら、どうしても煮豆はある程度の量を作りますから、三が日を過ぎると飽きてしまい、なかなか食べきれないものです。そこでアイディアをひとつ。そのまま寒天で固めれば、洒落た流しかんになります。好みで黒蜜をかけて食後に出せば、感心されることうけあいです。



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